金田2022/01/21
冬の手仕事
こんにちは、事務の金田です。
今シーズンは、割合過ごしやすく暖かいのかな?
と思っていると突然冷えて雪が舞うという、
油断ならない冬になりましたね…。
防寒対策と、冬でも意外と汗をかくので、
水分を摂って体調維持に努めましょう。
今回は、冬といえば、のお話。
これまでのブログでも少し紹介しましたが、
趣味で編み物をしています。
毛糸以外の素材もあるので
一年を通して楽しめますが、
私は基本、秋冬だけ。
8月の終わりくらいから、
毛糸メーカーの今冬の新製品情報や
それに伴う編み物作品の書籍がリリースされてくると、
なんだかそわそわします。
今シーズンも、先月ひと月くらいかけて
ちまちまとショールを編みました。
編み始めた頃
「これ、記録を取っておけば
次のブログの話題に出来るのでは…?」
と思ったのですが
過程の写真を撮るのを忘れていて、
その計画はあっさり挫折しました。
(ショールは、無事完成しました)
ひとまず、入門編?な雑談をお届けです。
去年の夏に、浴衣の話をした時にも思ったのですが、
既製品をお店で買う、という形が普通になる前は、
自分で着る服は自分で縫うという人も多かったのですよね。
(注文してプロに仕立ててもらうのも含めて)
編み物も同じで、売っていないなら作るしかない
ということもあり、私の母が子供の頃は
祖母が何かしら編んでくれたということでした。
その母も、若い頃は編み物を習いに行っていて、
同年代の女性の実用的な素養として
編み物を習うのは割と普通だったようです。
今は既製服が安く手に入るので、
ハンドメイドは実益を兼ねて、
というより高尚な?趣味になってしまった感。
実際、毛糸はそれほど安価なものではありません。
ウールを例に取っても
羊を飼育して羊毛をとり、
糸にしたり染色したりと、
製品になるまで手がかかっているからです。
「繊維の宝石」などの異名を取るカシミア(カシミア山羊の毛)は、
繊維としての性能価値も含め、一度に大量にとれないので
その希少性から非常に高価です。
普段利用しているネットショップの毛糸店で
価格をチェックしてみたら、
カシミア、一般的な単位のひと玉で2千円超ですと…
ウェア1枚を編むのには、糸の種類にもよりますが、
だいたい10~14玉くらい必要になります。
カシミアは既製服でも随分値段が張るので
妥当のような気もしますが、カシミアより多少お値打ちな
ウールでもひと玉4~500円くらいはするのが普通。
毛糸にこだわればこだわるほど、
正直「既製品を買った方が安い」てことになりかねません。
しかし、手編みは、一度編んだものをほどいて
再利用できるという利点があります。
私が保育園の卒園式で着た、
母親お手製のニットワンピース(写真の記憶でしか無いですが)は、
サイズアウトの後ほどかれ、糸として戻り、
棒針編みを始めた小学4年生くらいの頃
その糸が私の最初の作品(マフラー)になりました。
虫食いにあったり、
着用しているうちに繊維が痩せたりもするので、
100%再利用できるわけではないですが…
考えてみると、一本の毛糸が実用に耐えうるニットに編みあがり、
形を変えながら長く使えるというのはなかなか凄いことですよね。
ちなみに、「ニット」とは棒針編みの手法で編まれた編地のこと。
手編みだけではなく、既製品も同じ手法で作られています。
複雑なように見えてやっていることはカナリシンプルです。
基本であるメリヤス編みの編地を見ていただくと、
麦の穂のような、Vの字のような形がわかりますか?
これが表編み。
裏側から見ると、糸の流れがもう少し解りやすいでしょうか。
右から左へ、往復して下から上へと編み進んでいくのですが、
波の形のようにループが連続していて、
ループの、奥から手前へ糸を引き出すか、
手前から奥へ糸を引き出すかの違いで
表目と裏目のような形の差が出来るのです。
この、一番基本的な表編みと
裏編みの組み合わせだけでも多様な模様編みになります。
例として…
編んだカゴのような形状ですが、
表目と裏目を適宜繰り返すことでこのような模様になっています。
他に模様編み、というと、
「フィッシャーマンセーター」って
聞いたことないですか?
ヨーロッパ北西部のアラン諸島が発祥の地とされる
ケーブル編みのニットで、
セーターやカーディガンなどの定番の模様です。
ケーブル編みというのは、
前述の表編みと裏編みを基本に
目の左右の順番を置き換えて交差させることで
撚った縄模様が浮き上がる手法のこと。
「フィッシャーマン」という言葉の通り、
そもそもは漁師の作業服として使われていました。
材料に脱脂されていない羊の毛を使うことで水を通さず、
ケーブル編みの交差で分厚くすることで熱を逃がさない、
水場の仕事にはうってつけのユニフォームだったんですね。
アラン模様はひとつひとつ意味を持っているそうです。
一部を、拙作と共にご紹介します
ケーブル:舟を操るのに使う縄 安全と豊漁の象徴。
ダイヤ:富の象徴 漁網とも。
ハニカム:蜂の巣模様 堅実な仕事の象徴。
他にもたくさん種類があり、
組み合せて編まれています。
遭難などした時に個人がわかるような、
家ごとの独自のものもあった…という説もあるとか。
緻密なデザインを見ていると、
ホント手仕事凄いなぁ…て思います。
先ほども説明しましたが、
技術的にそこまで難しいことをしているわけではありません。
(目を綺麗に揃えて編むのはなかなかコツが要りますが…)
実用的なところから始まって
装飾的な芸術になる…編み物、奥が深いです。
そう凝ったものでなくても、
糸が編地に変わっていくのが楽しいので、
冬になるとちまちまと勤しんでいるのですが、
私は編む手が遅く、ひと作品仕上げるのに
時間がかかり過ぎるのがネック。
そして、季節的に暖かくなってくると
ぱったりモチベーションが下がってしまい、
編みかけの続きはまた次の冬を待つことになります。
こんなことではなかなか踏ん切りがつかないですが
…憧れのカシミア、いつか編んでみたいですね。
機会があれば、次は実践編をお届けしたいと思います。
ではまた。
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