金田2022/04/22
冬の手仕事、再び
こんにちは、事務の金田です。
前回、趣味の編み物についての雑談を書かせてもらいましたが、
前回のブログタイトルに添えた、
白い毛糸を積み上げた写真をご記憶でしょうか?
今回に関係があります。
実は、伏線だったのです。
あれが、こうなりました。
工程を紹介すればブログの話題に出来たのに!
と後から思った、12月に編んだのと同じショールです。
一度完成させているので、手順やペース配分に
問題はないだろうと、リベンジマッチ。
ブログに載せるべく工程をところどころ写真におさめながら、
2月~3月にかけて編みました。
すっかり暖かくなった4月の今、
季節はずれの感もありますが…
今回は編む工程を紹介しながら、
ゆるく実践編(?)をお届けします。
私は、母に編み針の使い方・基本的な編み方を
手ほどきしてもらってからは、
ほぼ独学というか自己流で編んでいます。
毎年、秋冬シーズンが来ると、毛糸メーカーや
編み物作家による作品集が数多く出版されるのですが、
旧刊を含めそれらを元に編むことが多いですね。
今回のショールは、那須早苗さんという作家さんの
「スワンショール」という作品を参考にしました。
(文化出版局刊「糸とあみもの」掲載)
作品集では(例外もありますが)、ひとつの作品につき、
・平置きやモデルさんによる着画像など、作品の完成写真
・使用した毛糸の種類や分量、編み針の種類や太さの指示
・幅何目、高さ何段編んだら決まった大きさになるかという目安「ゲージ」
・線画や記号などで出来上がり概要を示す「編み図」
・編み手順
等が掲載されています。
(すべて含めて「パターン」と呼ぶこともあります)
建築物を建てる際の設計図のようですね。
編み方のみを図解する教則本もいろんな種類が出ていますが、
作品集にも、基本的な編み方は掲載されています。
前回も書きましたが、基本的な編み方さえ押さえてしまえば、
ほとんどの作品はそのバリエーションで、
そこまで特別な技術は必要ありません。(と、思います)
写真や絵図で解説されている押さえるべきポイントと
完成写真と照らし合わせながら、
こんなあたりかな…?というものを私は編んでいます。
こんなあたりかな…?になってしまうのは、
この、本の指示通りに編んだとして、
必ずしも同じものが出来るとは限らないから。
建築物であれば個人差が出てはマズイいでしょうけれども……
手編みに関しては個性のでどころというか、
編みがいのある面白い部分であるかもしれません。
強めに糸を引いて編む人、
ゆったりと編む人(手がきつい、
手がゆるいなど言います)がいて
まずそこで違いが出ます。
私は、基本的に手がきついタイプらしく、
同じ条件で編んでもやや目が詰まってしまい、
パターン通りの大きさにはならず
小さめに出来上がってしまいます…
編地はある程度伸びますし、
高さ(長さ)が足りない、くらいであれば
パターンより目や段を多めに編むなど融通は利きますが、
ウェアなどであればフィット感が変わったり、
糸が足りなくなってしまうことになります。
それで、最初に必要なのが、
自分がどう編んだらパターンにより近づけるか
という補正作業です。
前出のゲージは、10cm×10cmに何目何段になるか
というような目安なので、試し編みをしてみて、
針の太さを変えたら同じになりそうならそうするとか、
あるいは自分のゲージでパターンを再構成するとか、
決めることになります。
元々のパターンで使用されている糸を使わず、
手持ちの糸で編みたいという場合にもこの作業は必要です。
単純に、太い糸で編むのと細い糸で編むのでは、
1目の大きさが全然違います。
自然と、同じ長さを編む際の目数は変わってきます。
歩幅の大きい人と小さい人と
同じ歩数で踏破する距離に差がつくのと同じですね。
ただし、太い糸の方が編み地が分厚く・重くなり、
細い糸の方が薄手で軽いものが出来る傾向にあります。
どんな糸でも、どんなものでも編めるとは言えず、
用途に応じて、適した糸を使うのはある程度前提になります。
12月に最初にこのパターンのショールを編んだ際
大元のパターン使われている毛糸より
少し太めの毛糸を使おうと思っていたので、
最初にモチーフを試し編みをして、
幅や高さから割り出して目数を少なめに決めました。
防寒具として首や肩に巻いて使うショールは、
ウェアと違って微細なフィット感はそこまで必要ないし、
今回は12月に編んだ完成品がすでにあったので、
それをたたき台に、全体にもう少し大きめにしたいので
幅の目数を増やそうかな?とかその程度の補正で編みました。
三角形のショールは、編み方はいくつかありますが、
今回の編み方は、三角の角が出る二辺の部分の目を
作り目(これが一段めです)し、そこから編んでいくタイプでした。
実は、最初の作り目が一番の難所でした!(私にとっては)
大元のパターンより減っているとはいえ
作り目の数は400目超
(ちなみに元パターンでは500目超)
一般的に手編みのセーターやカーディガンは、
胴回りが100目~200目ほどなので参考になるでしょうか?
編みはじめてから数が間違ってたことに気づいても遅いので、
最初に目数を何度も確認するのですが、
数え直しても数え直しても数が多すぎて
途中でわからなくなってしまったり…
編む手が遅いということもありますが、
目の数が多いので1段編むのにえらく時間がかかり、
最初のうちは2時間編んで、
4段しか進まない、ということもありました。
ちなみに、完成写真で底辺の、
波々にライン状になっている部分が4段分です。
高さにして1cmくらい。
目で見える進捗がなくて、
本当に完成に向かっているのか
危ぶみながら編んでいました。
約30段。端っこはこんな感じです。
だいぶ大きくなってきました…
端目と真ん中で目を徐々に減らしています。
減らし目とは、複数の目を一度に一緒に編むことで、
目数が減って編み地に動きが出たり、
この場合自然にカーブになったりします。
一段めはまっすぐな底辺部分が、
一定箇所で目を減らしながら編み進めていくうちに、
さんかくになってるって面白くないですか?
最初に頑張って作り目をしておくと、
編んでいくうちに1段を編む効率が良くなり、
最後は楽しくなってスピードアップしていきます(^^)
こちらが減らしに減らして残った7目、
これをとじ合わせて端っこの糸やつないだ糸の始末をつけて完成です。
前出の写真の毛糸玉にして約7玉半で完成しました。
裏側で何回か糸をつなげて編んでいるので
あまり見せられません…まあ普段使いですからね!
仕上げにスチームをかけたり、
軽く洗って少し伸ばすように広げて乾かすと
もう少しサイズはアップしますが、
今回はこのままで完成としました。
アクリルなどの化学繊維でも
防寒具として問題はありませんが、
ウールをはじめとする獣毛は、
毛の構造上びっくりするほど保温性が良いのです。
このショールも、巻いたらその瞬間から
じんわり背中が温かく感じました…
1本の細い糸をつなげて、
あれこれ操作すると編地になり、
立体的な造形が生まれる、
しかも服飾品として実用に耐えうる、
その圧倒的な変化は本当に面白いです。
推奨の糸以外で、この糸ならこういうパターン編んでみたら
しっくりくるんじゃないかな?という目論見が当たって
満足の行く出来栄えになった時や、
補正から一歩進んで
自分でデザインする面白さもあります。
難所とか、終わりが見えなくて手が止まったとか、
心が折れるとか、普段ぶつぶつ言ってますが、
完成した時の達成感を思うと、
なかなかやめられないですね。
長々おつきあいいただきまして
ありがとうございます。
せっかくなので、次回以降も
編み物の話が出来たらなあ…と思っています。(^^)
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