金田2022/11/18
冬の手仕事、最終回
こんにちは、事務の金田です。
ずっと終わらないかと思われた夏も過ぎて、
ようやく秋めいてきた感があります。
朝の冷え込みは、秋というより初冬のおもむき、
冬糸を編むのにふさわしい季節になってきました(^^)
前回のブログの終わりで、次は「輪針」を使用して、
本来の使用方法である「輪編み」で何かひとつ編んでみると
自分に課題を出してみました。
そんなわけで
今年1月・4月・7月と書き連ねて来た編み物ブログ、
ひとまずしめくくりの今回は「輪編み」をテーマにお届けします。
デザインのバランスと
編んでいる全体図がとらえやすいかなと
ニットキャップを編んでみました。
パターンは、ブティック社刊『 大人の旬ニット 』掲載の
ケーブル編みの帽子を参考にしました。
見出しの写真に写っている毛糸が使用糸です。
前回ご紹介した
コードに付け替え針をセットして使うタイプの輪針を使用。
今回使用したコードの両端に針をセットすると
全長は約60cmになりました。
(ショールを編んだ時は120cm)
かぶり口部分は3.3mm
本体部分は3.9mmの太さの編み針で編みました。
靴下や手袋などの履き口もそうですが、
かぶり口には、伸縮性の良い編み地(ゴム編みやリブ編みといいます)を
本体部分より細い編み針で編み
着用した時に密着して隙間が出来にくいようにしています。
もうだいぶ編みあがっている写真しかないのですが……
編みかけの状態と、編む時の手はこんな感じです。
平面を編む「往復編み」と、筒状になる「輪編み」は
どちらにしても右から左に向かって進んでいきます。
編む動きとしては、
「左手に持った編み針にかかった目に糸を通して新しい目を作る」
→「右手に持った編み針に新しい目を移す」を1目ずつくり返します。
往復編みは
編み針の左端の目まで編みきったら(②)
編み地をひっくり返して(③)
また右端の目から左へ向かって編み進めます(④→⑤)。
左端まで編みきったら(⑥)
また編み地をひっくり返します(⑦)。
これが1往復ということですね。
輪編みは、端がつながって輪になっているので、ひっくり返さずに
編み針を少しずつずらしながら
ぐるぐると編み続けていくことになります。
輪針でも、右端目と左端目をつなげなければ
うんと長い玉付針と同じことで
端まで編んだらひっくり返して…という使い方になるわけです。
それが前回のショールでの編み方でした。
余談ですが
海外だとセーターなどを編む際、
輪針を使って輪編みで編み上げていくパターンが主流のようです。
日本で一般的な
身頃や袖などのパーツを平面で個々に編んでから
繋ぎ合わせるパターン(ソーイングに近い手法)と違い
デコルテ・胴回り・袖(2箇所)の四種類の筒状のパーツの集合体と考えるわけですね。
(絵心あまりないですが通じますかね……)
デコルテ部分を先に編んで
上から編み下ろしていく仕様なので
編みながら好きな丈を決められるのと
パーツ同士をつなぎ合わせる箇所がほとんどないので
裏側がすっきりしてごろごろしないのが利点。
欠点としては
身頃部分も袖部分も全部つながった状態で編み終わるので
編むのに邪魔になるところでしょうか?
ちなみに棒針編みで
左手に糸をかけて編む方式は「フランス式」
右手に糸をかけて(持って?)編む方式は「アメリカ式」
というのだそうです。
私は子供の頃手ほどきしてもらって以来ずっとフランス式ですが
アメリカ式、なじみがなくてどうやって編むのか
原理がわかってないので説明が難しいですね。
一般に、フランス式の方が早く編めるが目がゆるみやすい、とか
アメリカ式の方が目がゆるみにくいが
糸をかけるアクションの分時間がかかるのと
手首に負担がかかるとか聞きますが……
どのあたりがフランスでアメリカなのかも詳しく知らず。
興味のある方は動画を検索してみてください。
いずれの方式にしても
自分では考えられないくらいのスピードで
すいすい編んでる人の動画を見てると感嘆しかないです。
すっごいですよ……
さて、ニットキャップの続きを。
頭頂部分へ向けて
デザインを調整しながら少しずつ目数を減らし
立体的な丸い形にしていきます。
目数が少なくなると
コードが余ってきてスムーズに編みにくいので
コンパクトにするべく4本針に変えました。
見ようによってはこちらの方が編みにくそうですかね?
原理としては輪針と同じです。
この状態の場合
4本目の針に目を編んで移し替えながら
ぐるぐる進んでいきます(5本使うことも)
編み目止め(玉)部分がないので、出来ることですね。
編み針・コード部分含めて20cmちょっとくらいの
とても短い輪針もありますが(小さい輪になる)
編み針にある程度の長さがある方が安定して持つことが出来るので
私は基本このやり方でやっています。
手袋の指部分など、10目~20目程度の少ない目数の輪編みも
こんな調子でちまちまと編んでいきます。
最終的に10目まで減らして(最初は155目ありました)、
目に編み終わりの糸を通してしぼり、
糸始末などをして完成です。
40g110mの毛糸を99g使用で完成しました。
均等に目を減らしながら完成するキャップは
頭頂部が結構面白いです(^^)
ニットキャップを編む過程での輪編みの編み方(4本針の使い方)に加えて
日本と海外パターンの違い等を紹介しましたが
説明が少し駆け足になってしまいました。
詳しい実情を知らないと
どんなことをしているのかさっぱりわからない趣味の内容を
真っ只中の人はこんな風に楽しんでいますよ、と
伝えられたらなぁと、勝手ながら書きはじめましたが
「編み物ってこういう作業をしてるんだ」
って言うのが多少なり伝わりましたでしょうか……?
4回にわたっておつきあいいただき、ありがとうございました!
冬の始まりにちょうどよくエンジンがかかった感じがあるので
今シーズンは6年寝かせた編みかけ(!)の続きに着手して
なんとか完成出来たらなぁと思っております。
ではまた。
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